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百人一首のお話

003 あしびきの

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003 あしびきの

あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む 柿本人麻呂
あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん(かきのもとのひとまろ)
意味
山鳥の長く垂れ下がった尾のようにながーーい夜を独り寝するのかなぁ。
出典
拾遺集・巻13・恋3(778)「題知らず 人麿」。実際に人麻呂の歌ということではなく、「こんなに見事な歌だから人麻呂の歌といっても不自然ではない」ということで、いつのまにか人麻呂作になったと思われます。
決まり字
あし
解説
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」までが「ながながし」を導く序詞です。序詞とはある言葉を導くための言葉ですが、枕言葉が多くは五音と短く、一つの言葉に対応しているのに対し、序詞は歌ごと、歌人ごとに臨機応変に作られます。また枕言葉と違い7音以上の長いものが多いです。文法用語の「助詞」と区別するため「じょことば」と言われることがあります。
山鳥の長い尾という視覚的なイメージが、いつのまにか一人寝の夜の、つまり時間の長さにうつりかわっていきます。しかも、「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」と「の」の繰り返しによって自然なリズムとともにイメージがうつっていくのがポイントです。
柿本人麻呂(人麿、人丸とも)。『万葉集』の代表歌人で三十六歌仙の一人に数えられ、4番山辺赤人と並び「歌聖(うたのひじり)」と称されます。
紀貫之による古今集仮名序に「人麿は、赤人が上に立たむことかたく、赤人は人麿が下に立たむことかたくなむありける」とあります。また「万葉集」にある大伴家持の漢文から山部赤人と柿本人麻呂を「山柿(さんし)」と称します。
しかし『日本書紀』などの史書に人麻呂の名は見えず生没年も不明です。
天武天皇の時代に活動を開始し、つづく持統・文武両天皇の時代(686-707)に宮廷詩人として活躍したようです。『万葉集』に柿本人麻呂作とされる歌は約420と膨大な数に及びます。最も多い大伴家持(473首)に迫る勢いです。
人麻呂の地位は低かったと考えられています。『万葉集』には人麻呂の死を「死」という漢字であらわしていますが、当時人の死をあらわすのに三位以上は「薨」五位四位は「卒」五位以下は「死」の字を使いました。ここから人麻呂の地位が低かったとが考えられています。
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