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百人一首のお話

006 鵲の

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006 鵲の

鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける 中納言家持
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける(ちゅうなごんやかもち)
意味
七夕の夜は天の川にカササギが翼を広げて橋を作り、牽牛・織女の仲立ちをするというが、そのカササギが渡した橋に霜が降り積もっているように夜空は星で真っ白だ。それを見ていると、夜もすっかり更けたと思う。
出典
新古今和歌集(巻6冬620 詞書「題しらず」)。また『家持集』にも。
決まり字
かさ
解説
「カササギの渡せる橋」を空にかかる天の川と取るか、宮中の階と取るか説が分かれます。空にかかる天の川ととると、「天の川の星々が霜のように白く広がっているのを見ると、つくづく夜が更けたのだなあ」「霜」は満点の星のたとえなり、いかにも雄大な景色です。
一方宮中の階と取ると「宮中の階に霜が降りているのを見ると、つくづく夜は更けたのだなあ」こちらの解釈だと霜は文字とおりの霜で、夜のしんしんとした空気が伝わってきます。また宮中の階に降りた霜を見て、そこに天の川を想像しているとも取れます。いずれにしてもロマンあふれる幻想的な歌です。
ちなみに中国の七夕伝説ではカササギに乗って会いに行くのは織女ですが、日本では彦星が会いに行きます。日本では当時男から女への通い婚だったことが、反映しているわけですね。
家持の作ではありませんが『家持集』に含まれているので家持作として百人一首に採られたものと思われます。
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